「同じことを続けている。それが本気。【自分探し症候群】は続けることができない。自分を磨くことがない。続けるということは、時にはイヤなことを敢えてしている。自分のある人は、一貫性がある。もちろん一貫性というのは表面的なことを言っているのではない。心の世界の話である。表面的にやることが変わっていても、心の世界では一貫性がある。例えば学問をしていても、政治をしていても、常に虐げられた人のことを考えているような一貫性である。【自分探し症候群】の人は、そうした心の一貫性がない。やっていることに脈絡がない。例えば【自分探し症候群】の学者は、学者は学者でも、いつも追いかけるテーマが違ってくる。その時その時の陽の当たるテーマを追いかける。長年に渡って積み上げたその人独自の学問がない。本当に好きなことがないから、あっちに行ったりこっちに行ったりしている。また本当に好きなことがないから、よく人に利用される」
著 加藤諦三 本当の自分はどこにいるより一部抜粋