「心の持ち方を変えることで解決する問題と、それでは解決しない問題を区別する。好きな犬のいびきは子守歌になるが、犬の嫌いな人にとっては、眠りの妨害になる。子どもが大声を出していても、子どもの好きな人にとっては楽しい音であるが、嫌いな人にとっては、うるさい音である。心の整理学では誰にとっても嫌なものと、自分にとって嫌なものとの区別をすることも大切である。朝、パン屋さんの前と通れば良い匂いである。これはおそらく誰にとっても良い匂いであろう。トイレの臭いは誰にとっても嫌な臭いであろう。今自分が不愉快なのは自分の内面の問題か、それとも外側の事実の問題かを整理する。事実そのものが不快なのと、事実に対する自分の解釈が事実を不快にしているのとでは、不快への対処の仕方が違うであろう。怒りの原因も違う。自分の解釈が原因の場合と、外側の世界の事実が問題のことがある」

著 加藤諦三 心の整理学より一部抜粋