「お金がないことで見下げられた。見下げた人の満たされない心が見えないから、張り合った。そこで【お金なんてくだらない】と言い張った。本当はお金が欲しかった。その自分の本当の気持ちを否定することにエネルギーを使った。だから、何もないのに消耗した。そして、燃え尽きた。もし、【いいな、おまえは頭がよくて】とか、【いいな、お前はお金があって】と言えれば、その人はそこで大きく成長したのである。そこが竹の節目で大きく上に伸びた。周囲の人はその人に安らぎを感じた。周囲の人はその人が好きになる。【オレはお金がないんだよ】と認めれば、その人の周りには質のいいひとが集まった。金のあることを誇示している人のまわりには、質の悪い人が集まる。10年後には、その差は歴然とする。ないことを認めた人の周りには、笑いがある。見下げた人の周りには、憎しみが渦巻いている。なぜ、あなたは自分を隠すのか?それは周囲の人があなたを認めてくれないから。あまりにもたくさん隠すことが多い人は、自分を認めてくれない人に囲まれている」
著 加藤諦三 やさしいひとより一部抜粋