「恵まれている人を見て、【あの人はいいよ】というようなことを言う人がよくいる。しかしその人が今いいのは、今がいいように何十年か前に何かをしていたのである。そして何十年間そのように生きているのである。今、心安らかな人は、過去に虚勢を張って【いいところ】を見せようなどとはしなかった。悲惨な人生を比較的幸福な人生を分けるには、案外単純なところにある。八方美人のように誰にでも【いいところ】を見せようとする人は、まず間違いなく悲惨な人生になる。それに対して無理して【いいところ】を見せようとしない人は比較的幸福な人生を送るのではないだろうか。悩んでいる人は生活の規模を縮小しないで、サラ金に手を出すような生き方をしてきたのである。その場は楽だけれどもだんだん辛くなる。人との付き合いも同じ。その時に楽な人と付き合ってしまう。その時にお世辞を言う人は、長い眼で見ればその人には害になる人である。そしていつか自分の周囲には誠意のある人はいなくなる。悩んでいる人はたいてい人間関係がおかしい。全てその時その時、その場その場で楽なほうを選んでしまうから、地獄への道をまっしぐらに進むことになってしまう。幸せになる人は、その時に楽なほうを選ばない。その時に【いい顔】をしない。問題が起きたら逃げない。解決しようとする。その生き方の積み重ねで幸せになる。不幸になる人はその時に楽なほうを選ぶ。その時に【いい顔】をする。問題が起きたら逃げる。解決しようとしない。その生き方の積み重ねで不幸になる」

著 加藤諦三 人生の重荷を軽くするヒントより一部抜粋