「スウェーデンの格言に【自分の愚行を認めることは、それを行うことより難しい】というのがある。執着性格の人、うつ病な人、心理的に成長しそこなった人などがこれであろう。愚行をしながらも、自分の愚行をどうしても認められないのである。仕事のできる人というのは、愚行のない人ではない。愚行はあるが、それを認め、学び、あっさりと受け流す人である。さらに大切なことは、その愚行に懲りないということである。懲りないということは、また同じ愚行を繰り返すことではない。失敗に懲りて、消極的な生き方にならないということである。人間である以上、どこかで愚行をする。第三者から見れば、あんな愚かなことをなぜするのかと思うようなことをする。しかし、仕事のできる人というのは、そこから学んでも、それらによって臆病にはならない。仕事のできる人は、苦しみを長引かせない。物事に執着する人は、苦しみを長引かせてしまう。【損をしてしまった、困った、どうしよう】と、いつまでも嘆き続けているような人は、また、なかなか眠れない人でもあり、優柔不断であり、疲れても、なかなか休養のとれない人でもあり、趣味のできない人でもある。純粋に遊べるなどというのも器量の大きさを示すものであり、仕事のできる人なのである。純粋に遊べない人は仕事のできない人ではないだろうか」

著 加藤諦三一部抜粋