「たくましい人になるためには、地に足のついた生活を心がけること。たくましい人の周りには質の悪い人は少ない。質の悪い人に囲まれているのは、やさしくて、弱い人。そして財産なり名声なり真面目な性格なり何らかの力を持っている。もう一つ質の悪い人に囲まれているのは、地に足のついた生活をしていないということ。質の悪い人とは、ずるい人。他人を利用して甘い汁を吸おうとしている人。他人の負担において自分が楽をしようとする人。他人からものを取ろうとしている人。醜い欲望が愛とか正義の仮面を被って登場してきている人。泥棒のように正面から悪いことをしている人はまだ良い。質の悪い人は表面いい人を演じながら、実は人から搾取している。地に足のついた生活をしていない人は、現実と向き合って生きていないから、人が見えない。人を見抜く眼がない。相手のずるさが見えない。そこで周りから利用させるだけ利用される。地に足のついた生活をしていないということは劣等感が深刻だということ。劣等感から、自分の生活が人に見せる生活になる」

著 加藤諦三 たくましい人より一部抜粋