「ウサギは【本当のウサギとは?】とは【嘘のウサギとは?】という事は考えない。人間だけが【本当の自分はどこにいる】と悩む。それはウサギは他のウサギに認められようとして頑張って自分を変える必要がないから。またウサギはウサギ同士のコミュニケーションが人間よりうまくいっているから。【人から評価されること以外には何も求めていない人】は、例えば職業選択でどういう間違いを犯すのだろうか。それは自分が高所恐怖症なのに高層ビルの窓拭きになろうとするような間違いを犯す。どうも自分が生きている気がしない。生存としては生きている。しかし実存として生きていない。そんな時【本当の自分はどこにいる】と悩む。確かに本当の自分に出会わなければ生きていることは辛い。毎日シャンパンを飲んでいても、生きることは辛い。社会的に成功しても自信のない人がいる。社会的に成功していなくても自信のある人がいる。それは自分の本性に従って成功したかどうかということ。自分の本性に従ったことをして失敗しても人は自信を持って生きていられる」
著 加藤諦三 本当の自分はどこにいるより一部抜粋