良くないことは次々重なる。逃げたくなるような日もある。そんな時、心にこの言葉を言い聞かせる。
「これが最後の試練と思う事がある。とどめを刺されたような事件が起きる。これが最後と何度も最後の難関を乗り越える。やるだけやって、なるようにしかならない。やるだけやって後は受け止める。覚悟を決める。一度覚悟を決めてもすぐにまた悩み出す。また覚悟を決める。それでもまた悩み出す。何度でも覚悟する。そのうちにふと悟りが開ける。悟りを開いた時に、精神安定剤を飲んでも得られなかった安らぎを感じる。問題が解決したのではなく、問題を抱えたままで安らぎを感じる。橋の下で生きる覚悟があれば、ポストを失う事など何でもない。ポストや評価に執着していると豪邸に住んでも悩みに悩む。放浪の旅の時も、考えてみればそれはホームレス。スーツケース一つで世界を歩く人は幸せ。旅するホームレス。そう思えば日常の小さな事が小さな事になる」
著 加藤諦三 たくましい人より抜粋